人の職業を笑うな

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恋人でも、夫婦でも、仕事の相棒でも、理想のコンビは「裏表」がいい

Sponsored by 映画「シュガー・ラッシュ:オンライン」


「理想のコンビ」とは、どんな二人を指すのだろうか。

12月21日(金)公開のディズニー映画最新作シュガー・ラッシュ:オンライン』を見て、そんなことを考えていた。





予告編だけ見たら、「ディズニープリンセスたちのオフの顔が見られる唯一の映画」といったイメージが先行しそうだ。しかし、そこはこの映画の入り口であり、味付けにすぎない。

個人的には、現在のインターネットおよび現実世界をメタファーほぼナシで豪快に描いた、想像以上にリアルな作品だと感じた。とにかくドライで、ネットにズブズブとハマりこんだ僕にこそ、刺さる作品だった。



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主人公はレースゲーム「シュガー・ラッシュ」の天才レーサーにしてプリンセスのヴァネロペと、初期型アーケード・ゲーム「フィックス・イット・フェリックス」の悪役キャラクター・ラルフ

前作から少し成長した二人に降りかかる、多くのトラブルと試練。それを乗り越えていく二人の姿に、胸を打たれる。

今回は主人公の二人を見て感じた、「理想のコンビ」 をテーマに執筆したい。

31歳にして、仕事の「相棒」ができた

僕はずっと、人と協働するのがあまり得意じゃなかった。

人に任せるのも、確認するのも、相談するのも下手。誰かの上に立ったり指示を出したりするのも向いてなくて、サークル活動やバイトでも、リーダーのようなポジションになったことがない。

人と仕事をするのがあまりに向いていないのでフリーランスになってみたら、思いの外しっくりきてしまって、2年目に至る。

でもそんな自分に、あるとき「相棒」ができた。フリーランスになって3カ月、31歳を迎える少し前に、どうにも仕事が回らなくなって、アシスタントを募集したことがある。そのときに出会った人との相性が良くて、マネージャーになってもらった。

誰かに仕事を任せるのが下手なはずの自分がどうして、コンビを組んで今日までやってこれたのか。少し考えてみる。

理想のコンビは、「上下」でも「横」でもなく、「裏表」だ

今のマネージャーと一緒に仕事をするようになって感じたのは、お互いが弱点を補い合う関係にあるということだ。

僕は学校の成績でいうと、図工や音楽、体育が「4」か「5」で、算数や社会は「1」か「2」だった。仕事でいうなら、事務作業やルーティン作業が苦手で、突発的な対応や新規案件などに燃えるタイプだ。

一方マネージャーはというと、僕の真逆だ。クリエイティブな作業は苦手で、PowerPointでの資料作成すら上手にできない。でも、電話応対やスケジュール管理、書類作成などは驚くほどできる。

Twitterでアシスタントを募集したとき、「ゆくゆくはライターになりたいので、かばん持ちでも何でもやります!」といった応募も少なくなかった。でも僕は、コンビで大切なのは「教える、教わる」関係ではなく、「頼り合う」部分にあると思う。だから、僕やライターという職業に対する憧れとかは、ないほうがいいと思った。

「スキルは互いに補完する」そして「互いの立場は対等」。

コインの表と裏のように、陽と陰のように、互いの欠点と強みに委ね合い、任せ合い、成果を出す。ハードボイルドなバディムービーでよくある、背中をくっつけ合って、正面の敵を滅多撃ちにする、あの感じ。

「上下」じゃない。「横」でもない。「裏表」こそ、理想のコンビなのだと思う。

夫婦や恋人だって、コンビだ

仕事だけじゃなく、家庭や恋愛にも「コンビ」の関係はある。
「ポテトは硬いほうが好きな彼女と、柔らかいほうが好きな彼氏」みたいな話の流れもそれ。



夫婦が「コンビ」であるためには、互いのポジションをフラットに考えないといけない。最近は「女性の社会進出」について耳にすることが多くなった。でも本当は「男性の家庭復帰」って言葉こそ、流行るべきじゃないかと思う。

例えば「君は短時間勤務なんだから、家事も育児もやってよ。僕はフルタイムで夜遅くまで仕事してるんだから、土日は自由にさせてほしい」なんていうのは、「裏表」ではなく「押しつけ」だ。家に帰れ、夫。会社にお前の代わりになる社員はたくさんいるが、家庭には夫も父親もお前一人しかいない。

もちろん、男女関係なく、人それぞれに「得手不得手」はある。食器洗いをしてみても、洗った後のお皿の並べ方が下手でちゃんと乾いていない、とか。精一杯頑張っても70点しか取れないような項目が、誰にでもある。

でもコンビなら、互いに苦手なもの、得意なものを理解して、補っていけばいい。「まあ、俺にも苦手なもん、あるもんな」と思って相手のことを受け入れられたら、コンビはより強靭になる。相手に背中を預けたなら、自分は正面の敵だけを撃てばいい。

コンビだって、個人だ

そして「コンビ」だからって、常に同じ方向を向いている必要はない。

背中を預けられるほどの信頼関係なら、互いの目指している方向が違ったときは、相手の踏み出す一歩を見守る度量も欲しい。それが、今回の映画を見て強く実感したことだ。

「嫁ブロック」って言葉が一時期流行った。「俺にべったりだった彼女が、最近は仕事に夢中になってしまって、構ってくれないから浮気した」と話す男の友人もいた。

結婚相手や恋人に対しては「パートナーなんだから、相手のことは全て自分が把握している。相手は変化しないし、自分の想像を超えない」という気持ちをつい持ってしまいがちだ。でも、人は気持ちも外見も変化して当然の生き物だし、他人がそれを制することはできない。

だから、無理に同じ方向は向かない。強み・弱みが異なる二人なら、価値観が異なってもいい。

結婚だって、相手はずっと同じ人である必要はない。
会社だって、目指す方向が変わったと思ったら離職していい。

そうやって、自分と同じ方向に進む人たちと、その時その時でコンビを組んでいくのも、悪くはない時代だ。そこに相手へのリスペクトと、相手を見守る愛情があれば、だけれど。

長々話してしまったけれど、何が言いたいか。映画だ。『シュガー・ラッシュ:オンライン』だ。ここまで話してようやく、ラルフとヴァネロペというコンビの話に戻ってこれる。

物語の後半、ラルフの気持ちが「過去の自分」と重なって、しんどくて、醜くて、いつの間にか歯を食いしばっていた。

「過去の自分」とは、ある日突然、当時付き合っていた彼女が別れを告げてきて、それが理解できなくて、何日も何日も食い下がっていたあの絶望的に女々しい自分のことだ。ほんとダサい。今思ってもしんどい。

なぜかそんな思い出が、後半のラルフと重なって、ひどく心が痛んだ。そして、そんな自分とは違って、きちんと成長し、受け入れ、乗り越えていくラルフを見て、清々しさと同時に、何だか自分が取り残されるような、少し悲しい気持ちも残った。

一人一人が、それこそYouTuberのように活躍できるかもしれない時代だ。
だからこそ、足りない部分を補い合える関係のほうが、より力強く前に進める。

とはいえ、個人は個人だから、お互いの道を尊重し合う。
そんな関係が築けたときこそ、「理想のコンビ」と言えるのではないか。

TwitterInstagramでお互いをフォローするだけでなんとなく「つながった」感が得られて、Facebookでつながれば「友達」と呼べる時代。皆さんにとっての「理想のコンビ」は、どんな二人だろうか。


#シュガラお題「理想のコンビ」


sponsored by 映画「シュガー・ラッシュ:オンライン」(12月21日公開)

はてなブログでは、12月21日(金)公開の映画「シュガー・ラッシュ:オンライン」と共同で、特別お題キャンペーン「#シュガラお題」を実施しています。この記事はキャンペーンの一環として、「理想のコンビ」をテーマに、カツセマサヒコさんに執筆いただきました。(はてな編集部)